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時宗について

2018/07/27

時宗は、700年の昔、一遍上人がお開きになった念仏宗です。
中国の唐の時代に善導大師という方が念仏の教えを盛んにされました。
鎌倉時代になって、法然上人がこの善導大師の教えを深く信じられて、浄土宗を開かれました。
一遍上人は、浄土宗の西山派の開祖證空上人の孫弟子にあたります。

一般上人の始められた宗派を、なぜ今日「時宗」と呼ぶかというと、次のような訳があります。
善導上人が、その弟子たちを「時宗」と呼びました。法然上人も、證空上人も、一遍上人もそれに従いました。
一日を六時(4時間ずつ)に分けて、仏前でお念仏と六時礼賛というお勤めをいたします。
これは、時間ごとに交代します。また別時念仏といって、日を限って念仏三昧を行いました。これも時間ごとに交代します。その人々を時の衆、つまり「時衆」と呼んだのです。
この言葉は、他の宗教では次第に使われなくなりましたが、一遍上人の流れををくむ教団では今日まで使われていて、「時衆」がこの教団の呼び名になり、江戸時代に「時宗」と改められて宗派の名になりました。
時宗で信仰する仏は阿弥陀仏で、特に「南無阿弥陀仏」の名号を本尊とします。
この名号を常に口に唱えて仏と一体になり、阿弥陀仏の計り知れない知恵と、限りない生命をこの身にいただき、安らかで喜びに満ちた毎日を送り、やがては清らかな仏の国「極楽浄土」へと生まれることを願う教えです。

時宗の教えは、『無量寿経』『感無量寿経』『阿弥陀経』に拠っています。これを「浄土三部経」と申します。
歴代の上人が、これらの経典に説かれている念仏の教えを広めるために、広く全国を回るのを遊行(旅をしながら教えを説くこと)といいます。
遊行上人や遊行寺の名は、それからおきています。
遊行上人が念仏の札を配ることを賦算といい、念仏によって救われることの証とされています。